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謡曲 安達が原/黒塚の元になったと言われる平兼盛の和歌
みちのくに名取の郡黒塚といふ所に、重之か妹あまたありと聞きて、言ひ遣はしける
みちのくの−あたちのはらの−くろつかに−おにこもれりと−きくはまことか
この「おにこもれり」の「おに」は鬼ではありません。「隠」です。
「隠に篭る」で隠れ住んでの意味です。
「陸奥は宮城県(福島県ではあのません)名取郡のあだちの原の黒塚などという都から遠く離れた田舎に、貴女方がひっそりと暮らしていると聞きましたが、それは本当ですか」と平兼盛が源重之の妹達に送った歌です。
もっとも鬼(おに)という言葉も隠から来たようで、鬼は物陰に隠れて姿を現さない存在であるところから隠が訛ってオニとなったようです。
この歌や謡曲の舞台となったあだちの原(安達が原)の所在地が福島県安達郡とされるのは、謡曲が発表された時期よりもっと後でしょう。
単に地名にアダチと付くだけで福島県安達郡にあった地名とこじつけられたものです。
ミチノクと書かれてなければ東京都足立区にこじつけてもよかったんです。
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